『AV今昔』
先日久しぶりにお芝居だけでなく絡みのシーンにも居なきゃならない仕事があった。
なので今どきのAV男優はどんな仕事をするんかいな?とチラチラ見ていたんだけどあまりに俺の時代と違い過ぎて多少驚いた。
まずは女優さんが出来すぎているので感じてるとかそんな事はもはやどーでも良くなっておりカタチだけをトレースするなんともシステムチックに絡みが進行していた。
監督がちょこちょこ指示を飛ばし男女優ともそそくさと従い動く。
その手法がいいのか悪いのかわからんが(わからんというのは実際に作品になった時にどれくらい伝わるかが未知数だから)本気度ゼロで進行していく。
男優は言われた通り動けばイイので考える必要がなく、交感神経が優位にならず勃起はしやすいけれど相手があきらかに演技をしているのに良く勃つなあと思った。
俺が現役だった頃は85年から90年くらいまでで女優さんで出来る!ってヒトはわずかであった。
そのほとんどが騙されて着たような素人が多く、それでもスケベならまだなんとかなったがおぼこい子の場合はもう本当にうんざりした。
そんな状況だったのもあって撮影は如何に女優を上手く引き出せるかが現場にかかっており、男優もそのツールとして出来る男優は売れた。
そして疑似絡みなるものが昔は大半であって如何にしているように見せるかが男優のチン骨頂になった。
ただカタチをトレースするだけではなく相手を本気にさせ本当にヤッてる気にさせてこその疑似であり、いくら男優が演技しても女優が白けていたんではウソ臭い。
手前ミソではあるが俺は疑似なら今でも日本一と言えるほど疑似が得意であった。
代々木組の現場で当時の単体女優さん相手に俺は疑似絡みを行った。
その子とは何度も絡んでおり仲は良かった、その日は代々木組でのって事もあって俺はいつもより本気度マシマシで絡みに挑んだ。
彼女はいつもよりも乱れた、結果絡みが終わってから「どーしよう!本番しちゃった!!」と忠さんは笑いながら撮りテープをその場で再生して見せてあげた「ホラ入ってないでしょ」そう、そうなのだ。
カラダは本番していなくとも心が本番してしまったのだ、しかも俺は当時疑似でしているにも関わらず本当に射精までしていたから。
これは本気であればカラダは付いてくるもんだという俺のムチャクチャな精神論からとぎれずに射精までしていたのだ。
病は気から堕ちる(笑)
思うことによってそれは引き寄せられる。
だから当時の本番してない女優も俺と絡んでる作品に関しては本番してると噂された。
それでメーカーは喜んだが女優のダクションはイヤがるところも多々あった。
日本で初めての指名される男優であるとともに日本で初めてのNG男優ともなった。
女優が本気になってくれればそりゃあリアルなモノになる、しかしダクションのうち半分のところはゲスの勘ぐりから女優を引き抜かれると考えたのだろう。
そしてプライベートで俺に女優が会いたがるのを恐れたようだった。
別にプライベートで会おうがそんな事いちいちダクションに管理される覚えはない、お前たちゃ女優の親か!
俺は自分から誘った事はなかったがしょっちゅうトラブルになった。
俺をNGにしてた事務所の所属女優で冴島奈緒ってのがいた、彼女は事務所に食って掛かって俺のNGを解いてくれたんでその事務所で冴島だけは特別となった。
だってイイ仕事が出来るのにNGにするってバカらしい。
もう半分の事務所たちは俺と仲良くした方が得だとばかりに仲良くしてくれた。
女優の仕事に対するモチベーションも上がるしイイことだらけ。
プロとはそんなもんだ。
今の時代に俺が現役でいれたら? って考えたらもっとスゴイ事が出来ただろうと思った、チンコが昔のように自由自在であれば。
まあ仕方ないことなので言うまい
でももう一度チャンスがあればいつか復帰してみたいものである。